10月入ってからも8月後半並の暑さで、
場所によっては台風になりかけの熱帯低気圧もあったり、
時間があれば寄る100均のお店が
9月前からハロウィンの飾りを販売し始めて、
カレンダーを見るまで今が何月かわからなくなる。
季節は一体何を名残惜しそうにしているんだろうかと思えば、
これを書き始めた頃には急に寒くなり始めて、
違うとはわかっているが
この記事を書くのを急かされているみたいで再び頭を悩ませる。
そんな時、
久々に会う友人からバンクシー展を観に行かないかと連絡があった。
名前と数点の絵しか知らなかったが、
他にどんなものを描いているだろうかと興味があったので
二つ返事でその日を待った。
この記事が書かれた頃にはすでに終わっているが、
この記事を備忘録変わりとして書き残して置こうと思う。
まず驚いたことは、
展示された絵に番号だけが振られて題名が見当たらない。
発表された順番で名前などないのかと思えば
入り口で配られたB4サイズの紙一枚に
作品名と描かれた時の話が詳しく書かれている。
それを作品と共に交互に見る様子は
どちらを見に来ているのかわからなくて、
傍から見るとおかしなものである。
従来とは違う展示の仕方に
ストリートアーティストならではかとちょっとした感動を覚える。
また、バンクシー展と言いつつ、
実際は現代で活躍するストリートアーティストも数点展示されてて
パロディとしても数多く描かれた
『真珠の耳飾りの少女』
(展示されていたのは別の方の作品だったがバンクシーも過去に描いていたことがある)
そして、
画家のゴッホがiPhoneを持つ
TVBoyの『Vincent’s Selfie』という
ユニークな作品まで展示されていた。
展示のメインであるバンクシーの作品は、
みんなが知っているものから
それ以前に描いていたCDのジャケットまで
「こんなのもあったのか」と見ながらワクワクしていたり、
画風のシンプルさからわかりやすくうまいだけじゃなく、
色の置き方や人物の配置まで
意図があるのではないかと思わせる作品が
魅力的でもあった。
社会的地位の低い若者の気持ちをぶつけた初期の作品や、
モチーフとしてラット(ねずみ)が多く書かれていること等
解説をふまえながら作品を鑑賞すると
また違った見方が出来てとても良い。
バンクシーの有名なエピソードとして
オークションに出品された作品『風船と少女』が
落札後に仕掛けによってシュレッダーで粉々にされ、
その後に粉々にされたまま別の作品
『愛はゴミ箱の中に』として出品された事件がある。
この出来事についても詳しく書かれていて、
現代社会へのバンクシーの心情に
少しの共感とその行動力に改めて
作品としての魅力が見えて面白いなと感じる。
私は芸術に関して詳しい方ではない、
人から解説されたり、
興味のある分野について
おぼろげな中で話せる程度である。
趣味で絵を描きはするが
せいぜいノートの隅の落書き程度である。
そんな中、
言葉以外で自分の中の世界や主張を
人に伝える手段として残された作品を見て、
自分自身どう思ったのか…。
一言でも良いから大事にしていきたいと思う。
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